2007年02月26日

Team CRC Japan2007レポート(2)

2007年のサポートドライバー 福岡県 久間 さんから1回目のレポートをいただきました。
今年の使用マシンジェネレーションX入荷待ちのため、今回はモーターに関するトピックを送っていただきました。


---------------------------
『はじめまして福岡の久間です。2007年度サポートメンバーとして、このサイトを御覧の皆さんのお役に立てるようなレポートを提出していきたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。内容としては1/12以外のラジコン情報もまじえて書いていきたいと思っております。というのも日頃はツーリングカーしかしない知人や忙しくてラジコンする暇のない友人からサポートメンバー発表後に、たくさんの激励いただきまして、かなりの方が見ていらっしゃるんだなと再確認致しました。カテゴリーを問わず何かしらお役に立てれば光栄です。やはり、ラジコンって楽しい物だと思いますし、また違う観点からヒントが得られる事もありますからね。

前置きが長くなりましたが、まずは自己紹介からさせていただきます。福岡市在住の久間健一郎と申します。昨年11月まで某ラジコン量販店に勤めておりましたので御存じの方もいらっしゃるかと思います。今後どこかでお会いした際は気軽に声をかけていただければありがたいかと思います。量販店勤務の時は時間の制約上、現場でカツる事が多く、皆さんの質問等に答える事ができずに嫌な思いをされた方もいらっしゃるかと思いますが、この場をお借りしてお詫び致します。これからは時間的に余裕ができるので皆さんと楽しい時間が過ごせれば、よりよいラジコンライフがと思っておりますが、カツる事もしばしばあると思いますので御了承いただければありがたいです。

ではこの辺で先日24日と25日のテストをレポートしていきたいと思います。

【1日目】
今年から4セルツーリングに挑戦するつもりのユーザーの為にモーターをテストしに行って来ました。用意したのは5T、6T、7Tと実際使わないかとは思いつつ自分の1/12用に8Tと9T。それぞれ特性の違う物を2ケづつ持って現場入りです。実戦的にはツーリングカーで6Tくらいかな?と思ってますが、今後のパワーソースがどうなるかによって変わるので現時点ではなんとも判断しかねます。一番怖いのは早合点と先入観なので今日はパワーチェックと車のセットアップをテストの中心項目としました。ドライバーにも「先入観で判断しないように」と伝えたうえで、あえてモーターのプロフィールを教えず、ギヤ比だけを指定して出走させました。

それぞれのモーターを判別するために便宜上タイプA、タイプBと名前を付けて二択方式で、AよりBがフケルとか、Bの方がトルクフルだとかを明確に判断しながらテストを進めていきます。この方法だと明確な基準があるうえでの判断ができるので、ひとつのモーターをどうこうするよりはるかにスピーディーで効率の良いセットアップが可能かと思います。モーターだけでなく、項目設定を変える事で車のセットアップにも使える手段なので、セットアップに迷ったときなんかは是非試してみてはいかがでしょうか。

それではテストレポートに話をもどします。まずはタイプAのモーターからですが、仕様は7Tでトルクを重視した重めのローターを入れてあります。車の構造上ギヤ比は7.6に指定して、上での伸びと回転がでるように調整してあります。ツーリングカーという車格のわりに電池が4セル、そしてなにせコースのタイトセクションを意識してのセットアップで試してみます。

いざコースイン。ストレートエンドまでけたたましい音をあげ走ってはいますが車速と比例しません。ドライバーのスロットル位置を見てもタイトセクションでかなり深い位置にあります。車速の上がり方よりもスロットルスピードの方がはやいようです。

明確に駄目な感じですが、駄目なのを確定させるためにタイプBのモーターをテストします。Bの仕様は同じく7Tでトルクがありつつ回転の上がり方も早いローターですがAに比べてローターが軽いものを使っています。とりあえず車速の上乗せができればという期待とともに、コースインです。先程よりもトップスピードもあり回転も軽い様子、スロットルを見てみるとまだスロットル位置が深いようです。タイプAに比べて明確にいい感じですが、4セルツーリングカーとしては全くパッとしません。

ドライバー曰く、個別テストの時はギヤ比を6.8くらいで8Tを回してたそうです。そのギヤ比は5分レース時代の一里野でしてたような記憶がありますが、はるかに狭いコースでは有り得ないと思っていました。しかし怖いのは早合点と先入観。明日は自分の概念と先入観を壊すべくテスト項目を再設定して1日目のテストは終了しました。

07-02-24_11-37.jpg


【2日目】 (2月27日に追加したレポートです
翌日の25日は昨日の結果をふまえたうえでテストを進めていきます。ややフィーリングの良いタイプBのデータを元にして、テストドライバーの意見を尊重したタイプCのモーターを作りました。このモーターはギヤ比を極端に変更した状況で使えるようにしてあります。仕様は7Tでとにかく下でのピックアップを良くする為にモーターを調整してあります。

下でのピックアップを良くすると上での伸びが損なわれる可能性があるのでそこもチェックしました。ベンチテストで回してみるとなかなかいい感じです。タイプAのモーターの暴力的な回転とは違い、力強いずぶといトルクを見せてくれます。おもわず顔がにやけてしまう瞬間ですが、まだ出走させてみないとわかりません。いくらベンチテストでいい回転を得られても無負荷の状態なのであまり喜んでもいられません。

いざコースインいてみると、なかなかいい感じですが回り方が重い感じがします。スロットル位置はタイプBよりも浅くなりましたが、コーナーからコーナーまでの間に深く握る事がまだあります。理想はスロットルの浅い位置でインフィールドをさばければいいのですが、まだピックアップが遅くスロットル位置と車速がシンクロしていません。そこで車を回収し、モーターをおろして2人で緊急臨時ミーティングです。ドライバーの意見を聴きます。今回のテストで回したモーターのA、B、Cと過去に回した手持ちのモーターの中で一番いいフィーリングのモーターはどれかと聴いてみると、タイプBという意見が返ってきました。そこでタイプBを再確認したうえで、再度調整しなおしです。

今度はギヤ比を固定して下のトルクを増やしてやりました。それと同時にあまり結果の良くないタイプAのモーターをおろして再確認、フィーリングを確かめるべく自分のツーリングカーに載せてテストします。テストドライバーの出走を見てからと思っていましたが、時間的に出走時間が重なりそうです。それなら一緒にはしってお互いの車をチェックしようという事にしました。スピードメーターなんかついてないラジコンカーですから明確に判断するにはいいテストです。いつも「足あわせ」と言ってますが自分のいい所、悪い所が一目瞭然なので次のテスト項目を決めるいい材料探しになります。(足あわせって何かの用語だったと思います。競馬だったか、競艇だったか、忘れてしまいました。くれぐれも足のセットアップをあわせるという意味ではないので御注意を)いざコースインです。

テストドライバーの後から1~2秒後にスタートします。が、しかしすぐに追いついてしまいます。???と思いながらもまた間隔をまた空けて走りますが、またすぐに追いついてしまいます。しばらく2人でランデブー走行しながら様子をみますが、ストレートで抜いてしまいそうな勢いです。あのタイプAが悪い所を見つけるどころか、むしろ速いです、文句の付けようがないくらいに。テストドライバーが時間的に最後だったので車を回収し、最終ミーティングです。次回のテスト項目の確認と駄目出しですが技術的には2人とも問題はないようなので、タイプAをもう一度調整しなおしテストする方向でいきます。つまりはまず今までのテスト結果を考察し、何がいいのか、悪いのか原因のイメージをします。それをふまえたうえで次の目標設定をし、より良い結果へと方向の修正をしていきます。

具体的な目標は現状でイメージできるベストラップとアベレージラップを設定して、まずはベストラップの更新です。いろいろな考え方、意見があるかと思いますが、自分の概念はレースディスタンスだとアベレージラップを重視していきますが、あくまで練習なのでベストラップを重視していきます。つまり「ベストラップが車のもつポテンシャルの限界」という考え方です。例えばベストラップが15秒の車はアベレージラップが14秒以下にはなる事はありません。アベレージラップを重視していくなら15秒台よりも14秒台の方がトータルラップもいい訳で、その為にベストラップを更新する事を目標にします。あとはラップをそろえていけばいいだけですから明確な基準ができるかと思います。これは「アベレージラップがドライバーのポテンシャル」という概念と思っていいでしょう。ただこれだけでは充分条件とはなりえません。ベストラップは必要条件とはなりますがレース中にミスすれば、おのずとアベレージラップは遅くなってしまいますから。では何故ミスをするのか?という事になりますが、この話はまたの機会にでもいたしましょう。ミスした原因がわからないままだと同じ事の繰り返しですから、ラジコンが楽しくなくなるんでもったいないですからね。だいぶ話がそれてしまいましたが二日目のテスト項目も終了した所で今回のテストレポートを終了させていただきます。

【あと書き】
第一回目のレポートにお付き合いいただき、大変ありがとうございました。聞き慣れない言葉がでてきたり、カタイ文面であったりと御覧いただいた方々が退屈されてしまったかと思います。ラジコン情報メディアなどであまり取り上げてない概念より具体的なセットアップデータを期待されている方々もいらっしゃるかと思いますのでそちらの方もどしどし書いていきたいと思っております。これからもよろしくお願い致します。

---------------------------

2007年度の他のレポートを見る
2006年度の他のレポートを見る
2005年度のレポートを見る

Trackback on "Team CRC Japan2007レポート(2)"

このエントリーのトラックバックURL: 

"Team CRC Japan2007レポート(2)"へのトラックバックはまだありません。

Comment on "Team CRC Japan2007レポート(2)"

"Team CRC Japan2007レポート(2)"へのコメントはまだありません。