2009年09月03日

デフリングトゥルアーのレビュー

オンラインショップでも販売しているQTEQ社の「デフリングトゥルアー」のレビュー記事を書いてみました。購入を検討されている方は是非ご覧ください

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デフリングトゥルアーは現在のR/Cカーで多く使われるようになったボールデフのパーツである「デフリング」の表面を磨くためのツールです。QTEQ社によると直径19~27mmのデフリングに対応しており1/12や1/10カー(TCやF1)に使えます。特に1/12スケールカーやF1、World GTカーなどデフの動きが重要とされるダイレクトドライブカーではその効果が期待される製品です

一般に流通しているデフリングはプレス加工で打ち出されたものが多く精度の面で最高とは言いにくいものです。通常使用では問題ありませんが、こだわるユーザーはデフリングの表面を磨いて精度を出す作業をおこなっていました。
これまでもアメリカIRSなどが販売していたデフリングを磨くツール[IRS509] IRS社製デフリング・サンディング・ツールといったものはありました。この他デフハブにデフリングを固定して紙ヤスリや砥石で研磨をするのが一般的な方法でした。デフリングの研磨にチャレンジした方はお分かりだと思いますがこの方法では均等に研磨するための力加減や研磨の方向などの慣れが必要で「おおっ、やっとキレイに研磨できた・・しかしあと1枚あるか・・」というのが実感ではないでしょうか。

QTEQのデフリングトゥルアーを使えば何も考えずグルグルとリングを回転させるだけで均等に研磨できます。さらにヤスリを含め作業に必要なパーツがセットになっているのも嬉しい配慮です


それでは製品の内容物から紹介します
左が[QT-090501] 1/12~1/10カー用 デフリングトゥルアー。必要なツール類がセットになった製品です。右は別売りのスペア部品[QT-090502] ラッピングフィルム 3種セットです

商品ラベルに書かれた製品説明

商品を開封してみました。ずっしりと重く頼もしい感じです

製品の使用説明書。写真を使い大変詳しく書かれています

研磨のベースとなるアクリル製の「ステージ」。1cm厚でたわみはゼロ。底面四隅にはグリップが高いゴム足が取り付けられていて作業中にベースが動いてしまうことがありません

ドライブペン。これでデフリングをグリグリ回転させます。ちょっと柄が細いので長時間の作業では疲れの原因になるかも。柄を太くした自分バージョンをいつか作ってみたい

デフリングを装着するデフリングホルダーを上から見たところ。中央の黒い凹部に先ほどのドライブペンを差し込んでグリグリします

デフリングホルダーを裏からみたところ。ここにデフリングを装着します。様々な直径のリングを装着できるように多くの穴が開けられています。3つの小さな皿ビスでデフリングが飛び出さないよう囲む仕組み

デフリングホルダーの穴がどのようなリングに対応しているのか個人的に調べてみました

     1.の穴を使ったとき : 直径27mmのデフリングに対応
     2.の穴を使ったとき : 直径25mmのデフリングに対応
     3.の穴を使ったとき : 直径24mmのデフリングに対応
     4.の穴を使ったとき : 直径23mmのデフリングに対応
     5.の穴を使ったとき : 直径21mmのデフリングに対応
     6.の穴を使ったとき : 直径20mmのデフリングに対応
     7.の穴を使ったとき : 直径19mmのデフリングに対応

*説明書には「デフリングはきつくなく、多少ガタのある位置に固定する」と書かれているのでデフリングの直径がピッタリである必要はありません


Oリングとスペアの皿ビス。皿ビスは大変小さく1つでも無くすとツールが使えなくなるのでスペア付属は嬉しいですね

デフリングを研磨するラッピングフィルム。「ステージ」に密着するので作業中に浮き上がったり、シワがはいることもありませんでした。320番手(赤)、600番手(緑)、1000番手(橙)がそれぞれ2枚付属します。別売りでラッピングフィルム単体で購入もできます


それでは実際にデフリングの研磨をおこなってみましょう。今回はCRC社の[CRC4201] ラージ・デフリング(直径25mm)を使いました


まずはデフリングホルダーのどの穴を使うか決めましょう。中央にデフリングを置いて目星をつけます


今回はこの位置にビスを固定しました。3カ所それぞれ同じ位置にネジを固定します。ネジはしっかり締めるがデフリングに多少ガタがあるようにします。ネジの固定には小さなプラスドライバー(精密ドライバー#0)が必要です


アクリル製のステージにラッピングフィルムを固定します。ステージ中央のセンタープーリーを外して写真のようにラッピングフィルムを取り付けます

取り付けられたラッピングフィルム。ザラザラした面を上にします

Oリングを使ってステージ中央のセンタープーリーとデフリングホルダーを連結します。写真では見えませんがデフリングホルダー下にはデフリングが装着されています


ラッピングフィルムを水で濡らします。そしてドライブペンをデフリングホルダーに差し込みます

ドライブペンの先端がデフリングホルダーに入りました

Oリングにある程度の「張り」がある状態をキープしつつドライブペンを回転させます。QTEQのサイトで公開されている動画です

このとき研磨されるデフリングがどのようになっているのか撮影した動画です
デフリングにつけられた丸い印に注目してください。デフリングが回転する様子が確認できます。ツールがデフリングを自動的に遊星回転させてくれるから何も考えずに均等研磨してくれるのですね。スゴイ


説明書通りドライブペン100回転を1セットとして作業を進めます。これは600番手のラッピングフィルムで100回転研磨したデフリングです。デフリングの外周部が研磨されているのがわかります。デフリング中央部分はあまり研磨されていません


さらに作業を進め合計300回転研磨したデフリングです。研磨された面積が増えていますがまだまだといった感じ


ここでラッピングフィルムを粗い320番手に交換しました。新品のデフリングやデフボールの筋が深く入った中古リングは320番手から研磨するのがいいようですね


320番手での研磨を終えたデフリング(右)と新品デフリング(左)


さらにラッピングフィルムを600番手に変えて研磨、そして1000番手で仕上げの研磨をおこないました。そして完成したデフリング(右)。新品(左)と比べると輝きが違います。研磨されたデフリングの表面には遊星回転による細かいキズ(QTEQではこれをコントロールされたマイクログルーブと呼んでいる)が見えます。ただし指や爪で触ってみても凸凹感はまったく感じません

デフリングトゥルアーで研磨されたデフリングのフィーリングについてはTeam CRC Japanメンバーのヤッキーさんがレポートしてくれています。動作がスムーズなのに滑らないデフに仕上げることができるそうです

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